村上喜良『基礎から学ぶ生命倫理学』

村上喜良(2008)『基礎から学ぶ生命倫理学』勁草書房

扱っている対象自体は一般的な生命倫理学の教科書と同じで良いのではないかと。ただ、主張の根拠づけのところで首を傾げたくなることが多い印象。
例えば、中絶におけるトムソンの思考実験の話で、

トムソン流の考えは間違っている。そもそも類比が成り立っていない。バイオリニストを引き離すことと、中絶をすることは同じではない。バイオリニストを引き離して彼が死んでしまうことは許される。それは、二重結果の原則から言える。p.50

と言うけども、(1)二重結果の原則が妥当か、(2)(妥当だとして)バイオリニストと妊婦に類比が成り立つのではないか、という点が疑問である。個人的には二重結果論は胡散臭くてたまらない。→調べなきゃなぁ。

他にも言葉遣いが特殊だったりしてなんかよくわからない。哲学畑の人の議論ってほんとよくわからないことが多いよなぁ。頭の中が一般人とは違うんだろうなぁ。



基礎から学ぶ生命倫理学

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