2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

哲学者の存在意義

哲学者って必要なのかね?社会の役に立つかと問われたら最終的にNoとしか言えない気がする(倫理学者は別としてw)。哲学者なんてものは幼い子供のようなもので、何にでも関心を持つのが習性らしい。最近は科学的知見をおもちゃにしていろいろと哲学するの…

ヘア△

ヘアさんかっけー。1回読んだだけじゃあんまりわからんかったが、とてつもない偉業を成し遂げようとしているような雰囲気はひしひしと伝わってきた。こんな本書きてぇなぁ。メタ倫理押さえなきゃだめだな。仮にも倫理学を学んでいながらこれを読んでいなかっ…

ホープ『一冊でわかる医療倫理』

トニー・ホープ、赤林朗・児玉聡訳(2007)『一冊でわかる医療倫理』岩波書店 これはまぁだいぶ日本における生命倫理学の概説書とは趣が違う本だなぁ。学問は「対象」か「方法」か云々という話を以前したけども*1、この本はだいぶ「方法」について詳しい。こ…

スーパーエロゲーション覚え書き

ときに、ある哲学者は「わたしがあることをすべきである」ことと、「わたしがそれをする責務がある」こととを区別する。(・・・)ある人が荒れ模様の夜に道端で立ち往生しており、わたしの車に同乗させてほしいと頼む場合、「わたしは同乗させるべきだが、…

今井道夫『生命倫理学入門』

今井道夫(2005)『生命倫理学入門(第2版)』産業図書 「生命倫理学をやる」と宣言していながら、あまりに無知なので生命倫理学の教科書的なものを読んでいくことにする。 これは生命倫理学の全くの初心者・初学者向きかな。基礎的な事項がサラーっと右から…

トゥーリー「嬰児は人格を持つか」

トゥーリー「嬰児は人格を持つか、加藤尚武・飯田亘之編(1988)『バイオエシックスの基礎』東海大学出版会、読む。元はTooley, M.,1972,"Abortion and infanticide," Philosophy & Public Affairs 2(1): 37-65. なお、翌年の同名の著書でだいぶ主張を変更し…

リバタリアニズムのユートピア

ある平等主義者・ロル男と、リバタリアン・ノジ男の会話。 ロル男:俺が貧乏なのは、運が悪かっただけだ。もし財の再配分がある社会とない社会を、全く曇りなき偏見なき立場(無知のヴェール)から選べるとしたらみんな前者を選ぶはずさ。だから、財の再配分…

Mellema, "Supererogation and the fulfillment of duty"

Mellema, G. (1991). "Supererogation and the fulfillment of duty," The Journal of Value Inquiry, 25: 167-75 読了。 ▼スーパーエロゲーションとは、『(1)義務ではないが (2)賞賛に値し (3)行わなくても非難されない』 行為である。メレマさん…

ヨナス「人体実験についての哲学的考察」

ハンス・ヨナス「人体実験についての哲学的考察」、加藤尚武・飯田亘之編(1988)『バイオエシックスの基礎』東海大学出版会、読む。▼1,進歩は根拠薄弱であり、人体実験は異常な手段(非常事態)である。 2,同意は最小限の必要条件である。 3,許容度の…

新田他『科学技術倫理を学ぶ人のために』

新田孝彦他編(2005)『科学技術倫理を学ぶ人のために』世界思想社、読了。 ▼流し読みだから、あんまりよく読んではいない。 ▼科学技術倫理とは何か、応用倫理とはどこがどう違うのか、が気になって読んだ。読後もいまいち判然としないが、科学技術倫理はお…