2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

最近読んだもの

Arneson, R., 1991, “Lockean self-ownership: towards a demolition,” Political Studies 39 (1): 36-54Christman, J., 1991, “Self-ownership, equality, and the structure of property rights,” Political Theory,19 (1): 28-46 Curchin, K., 2007, “Deb…

倫理と法の関係

倫理と法の関係があまりに曖昧過ぎる。これについての研究がほとんどなされていない。私の不勉強かもしれないのでアレなんですが、それはおいといて。君は人を殺すべきでない。君には殺人を犯さないという法的義務がある。君は井戸に落ちようとしている子供…

他者危害原則

他者危害原則から倫理学の体系を構築できないだろうか。この世の中、他者危害原則をおいて他に異論の余地のない原則というものはないように思われる。功利主義ならまだしも、義務論や徳倫理なぞは現実的な有効性としては厳しいような気がする。危害を狭く解…

石原・河野編『科学技術倫理学の展開』

石原孝二・河野哲也編(2009)『科学技術倫理学の展開』玉川大学出版会 ごはんも食べたい、パスタも食べたい、味噌汁もいいな。そうだ全部混ぜればいいじゃん!→ ・・・何これ? みたいな本。ごちゃまぜ。この手の、複数の著者が各自論じるタイプの本って大…

村上喜良『基礎から学ぶ生命倫理学』

村上喜良(2008)『基礎から学ぶ生命倫理学』勁草書房扱っている対象自体は一般的な生命倫理学の教科書と同じで良いのではないかと。ただ、主張の根拠づけのところで首を傾げたくなることが多い印象。 例えば、中絶におけるトムソンの思考実験の話で、 トム…

ヘア「自愛の配慮、道徳性、および義務以上の功績」

ヘア『道徳的に考えること』11章 ヘアは、二層功利主義の立場から、スーパーエロゲーションの困難を解決できると主張している。やはり功利主義者にとってスーパーエロゲーションが欠点となりうるという認識は広く浸透しているのだろうか。 明晰でわかりやす…

小松・香川編『メタバイオエシックスの構築へ』

小松美彦・香川知晶編(2010)『メタバイオエシックスの構築へ』NTT出版 よくできた論文集だと思う。廣野さん、香川さん、田中(智)さんの章は個人的に特に印象に残った。機会があれば章ごとに詳しく検討してみたいところ。一読して疑問に思ったのは、果…